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ALEXA35のカラーマネジメント③ 従来のALEXA LogC3との混在 編


従来のLogC3のALEXAと、ALEXA35が混在のケースもあると思います。

LogC3→4への変換することで、ALEXA35のLogC4に統一してグレーディングできます。

※変換してもLogC3のハイライトやシャドウが出てくるというわけではありません。Logカーブの明るさが揃う(ノーマルが39→28%)という意味です。


【DaVinci Resolveカラーマネジメント設定】

まずは、プロジェクトのColor Managementを下記の通り設定。
Color science.                         :DaVinci YRGB
Timeline ColorSpace              :ARRI LogC4
Output ColorSpace                :Rec.709-A or *Rec.709 (Scene)
Video monitor LookupTable  :ARRI LogC4 to gamma2.4 Rec709 D65_v1 65

*制作環境によって Rec.709-A / Rec.709 (Scene)は使い分けおねがいします

※Video Monitor Lookuptabelに、LUTを適用してもあくまでもグレーディング時のモニタリングだけです。
レンダリングには適用されません。
レンダリングすると、グレーディングされたけどLogのままです。

これは、ARRIはカラースペース管理を前提としているからです。
(カラースペースについては別記事で解説予定)

ALEXA35カラーマネジメント②LUT編でも解説したLog to Logの概念と同様、グレーディング済みのLogマスターを作成します。
そうすることで、1回のグレーディングで、必要なOutput(Rec.709・DCI-P3・Rec.2020)を差し替えるだけで様々な配給形式に対応可能になるからです。
今後、新たなTV規格やシネマシステムが登場しても、新たなOutputを適用するだけで対応可能になります。

まずは、Rec.709でレンダリングするなら、
Output Lookup tabel:ARRI_LogC4-to-Gamma24_Rec709-D65_v1-65
3D Lookuptable Interpolation:Tetrahedral
にしてください。
65格子点の三角錐補間で、LUTの最高精度になります。

ARRI Tech Talk: ALEXA 35 Workflows – Grading and Look Management の8:35から解説
グレーディング済みマスター Log DSM(Digital Source Master)の概念図


LogC3素材に対しては、先頭ノードに、
Effectsの"ColorSpace Transfom"を適用し、下記のように設定。
Input Color Space / Gamma    :ARRI WideGamut 3/ ARRI LogC3
Output ColorSpace / Gamma :Use timeline
Tone Mapping method.           :None
Gamut Mapping method         :None
Apply Forward OOTF               :OFF
Apply Inverse OOTF                 :OFF
Use White Point Adaptation.   :ON

これで、プロジェクト設定のTimeline color spaceで選択したARRI LogC4に変換され、LogC4で統一して作業ができます。

【LogC4と、LogC3→4変換の比較】

※ARRI Refernce ToolでもLogC3→4変換可能。
中間コーデックとしてProRes4444XQにファイル変換したのが、上から3番目。


【撮影現場の場合】

LogC4ベースで揃えてLiveGradeするなら、
上記のやり方で作ったLogC3→4変換LUT(Log to Log)だけをLogC3カメラに入れればOKです。


逆にLogC3ベースで揃えるなら、
LogC4→3変換LUT(Log to Log)の↓こちらをALEXA35に入れます。
※LogC3よりダイナミックレンジが拡張された分(1.5stop)だけLogC4のハイライトが僅かにクリップしてしまうことにはなります。


709ベースなら、そのままカメラ709でOKです。
※ARRIとしては本意ではないと思いますが…


【参照ドキュメント】

本稿では割愛しましたが、DaVinci ResolveのYRGB Color ManagedモードやACESモード・Baselightのパターンも説明されています。
Color workflows for mixing LogC3 and LogC4


by KOGAMI


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