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「ほったらかしでOK」なタイムコード同期 【前編】

タイムコードとは?
動画と音声の収録時に、素材に記録される時間のアドレスです。

秒より小さい単位「フレーム」まで含めた8桁の時間表記がタイムコードです


タイムコード付きのカチンコ製品などもあります
出典:Timecode Systems TS-TCB

ポスプロでは大まかに

オフライン → カラーグレーディング → オンライン → MA

この4段階で橋渡しされて、完パケになります。
1段階目の、オフラインから渡される編集データ(EDL,AAF)には、使い所のタイムコードが記述されています。

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すべての工程でタイムコードを基準に作業が進みます

編集データを受け取るグレーディング・オンライン・MAは、編集データのタイムコードからオフラインの使い所を判断し、一致させて、大元の素材と紐付けていきます。

つまり、ポスプロにおいてタイムコードは「超重要」なのです。

このタイムコードが、画と音の収録素材が同期していないと、オフラインやMAで、ひたすら手作業で一致するテイクと、カチンコを探ることになり、モノによっては気の遠くなる時間と労力がかかります。

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動画編集は映像と音声をマッチさせることから始まります

画は早送れますが、音はひたすら等倍で聞いていくしかなく、やったことがある者にしかわからない苦しみです。

画と音素材のTC同期は撮影時にしかケアできないので、現場側としては絶対やっておきたい準備になります。

しかし、いまだにTC同期の必要性・手段を知らない方もいます。。

TC同期に疑問を感じる方の意見は、主に3点です。

・カチンコ打ってるからいらないのでは?
・スクリプターが記録しているから、いらないのでは?
・撮影現場でTC同期し続ける監視と労力をかけられない。

1.カチンコ打ってるからいらないのでは?

・カチンコ入ってても、フォーカスボケで読めない。
書いてるカットナンバーがミスで実際の内容とズレている。

といった理由で、完全にあてにはできません。

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ピントが合っていないと見えません、、


2.スクリプターが記録しているから、いらないのでは?

 > スクリプトを見て、順番にカウントしても最終テイクでずれているケースは多々あります。
理由は、

TC、テイクずれの要因としては

・回ったけど、一旦カットして、またすぐ回した。

・子供や動物、ドキュメンタリー方式等で長回しする際、撮影部がいちいち、カチンコ・スクリプターにカット毎に、カットしたこと伝えていられない。


など様々です。


3.撮影現場でTC同期し続ける監視と労力をかけられない。

 > その通りです。労力なんてかけたくありません。
これは、やり方に問題があります。

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Jam SyncはだんだんTCがズレていきます、、

この手のタイムコード同期手段は、タイムコードのマスター(親)1つだけを録音部 or カメラ側が持っていて、カメラと録音部で”定期的に挿し替えて”TCを記憶させて同期(Jam Sync)してるケースです。

休憩の時だけ1日に数回だけ抜き差ししても、カメラやオーディオレコーダーの電源オンオフや、HSとノーマルチェンジしてるうちに徐々にずれていくので、信頼性に欠けます。
TCの為に電源オフにしないなんて、バッテリーとの兼ね合いでそうもいかないし、ましてやTCを監視し続けることなどナンセンスです。

後編にて、
○ シンプル
○ ほったらかし

でOKなTC同期手段を紹介します。


by KOGAMI


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