Frame.io 「Camera to Cloud」やってみた
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Frame.io 「Camera to Cloud」やってみた

クラウドベースのファイル共有サービスを提供しているFrame.io社が、
"Camera to Cloud"という野心的なサービスを4月に正式リリースしました。

Camera to Cloud (C2C)とは?
・カメラのRecと同期し、毎テイクが随時Frame.io(クラウド)に自動でプロキシデータ(軽いMP4)をアップロードします。

・プロキシは、カメラ内収録のオリジナル カメラ ファイル(OCF)と同じクリップネームになり、タイムコードも同期しています。
※録音部の同録データも同様に毎テイク、随時アップロードします。

これにより、世界中どこからでも、
『 即、共有。』
『 即、オフラインが可能。』
というサービスです。

※ 「現場オフライン」のデータではダメなのか?
所謂、"現場オフライン"はカメラのSDI信号をキャプチャしているだけで、クリップネームやタイムコードは、オリジナルカメラファイル(以下OCF)と同期していません。
ポスプロの工程上、OCFと一致していないデータでオフラインをしても、カラコレや本編集でコンフォーム不可能なので、現場オフラインは"その場限り"の割り切り前提で行われています。


【Frame.io C2C対応ハードウェア】
・Teradek Cube655(プロキシデータ.MP4)
・Sound devices 888(同録データ)

【対応カメラ一覧と、SDIアンシラリに含まれるメタデータ】

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※ カメラからTeradek Boltで飛ばす場合Bolt XTが必要です。
Bolt XTでないと「クリップネーム」がSDIに乗りません。


【検証】

今回は、この組み合わせでテストしてみました。

カメラ:ARRI ALEXA MINI (ver.5.4)

SDIトランスミッター:Teradek Bolt500 XT (ver. 3.1.9)

プロキシアップロード:Teradek Cube655 (ver. 8.2.15)


【Cube655側の準備】
・Cube655にSDカードを挿しておく。
このSDカードに収録されたH.264/MP4がFrame.ioにアップされます。
※フォーマットはExFAT

macOS HFS+だとSDカードにデータ残らず。速いカメラワークだと途中で止まる現象あり。FAT32はアップロードすらしてくれませんでした。

・Cube655はインターネット接続しておく。
Networkメニュー/USB ModemでDocomo ポケットWifiと接続し、インターネットに接続している状態。

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【Frame.io側の準備】
Frame.io iOSアプリを入手し、アカウント作成。

スクリーンショット 2021-04-29 0.57.32

※Camera to CloudはPro版から対応
(ユーザーごとに月$15・10ユーザーまで・容量250GBまで)


①iOSアプリで、プロジェクトを作成。

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②作成したプロジェクトから、Cloud Deviceタブで、"Set up new device"

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ペアリングモードになり、Cube655の待機状態になります。

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③Cube655側でVideo/Audio Input設定
※Sync Timecode to VideoはEnableにしないとプロキシとOCFの、TCが同期しません。

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④Encorder設定
1920x1080なら、画質的に3.5〜4Mbpsがベター。
※Key Frame Intervalは、"0.5"

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⑤Recordingメニューで、Triggerは、"Camera"。
Cameraは今回は"ARRI Alexa"。

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⑥RecordingメニューにあるFrame.io枠の、"Sync with Frame.io"をタップ。

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6桁の認証番号が表示されます。

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⑦Frame.ioアプリ側で、"Device ready to connect"から、Cube655に表示された6桁の認証番号を入力。

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⑧Cube655がインターネット経由で見えるので、Authorize

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"Success! Your device is Connected"と表示され無事接続。
FInishでOK

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Cloud DevicesにCube655が登録された状態。
これで、準備OK!

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カメラをRecすると自動同期してプロジェクトのMediaタブのCloud Devicesフォルダに随時アップされます。
1秒の間隔でRecを続けても、漏れずにアップロード可能。

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では、Frame.ioにアップされたプロキシと、OCFは本当に一致しているのか?
わざと意地悪して、以下のように信号を切り替えてRecしてみました。

・RecモードARRIRAW ←→ ProResを行ったり来たり変更
・SDIアウトをClean → Processedに変更
・ノーマル → HS → HSプレイバックをマニュアルRec → ノーマル


【クリップネーム】
概ね一致しています。

Screen Shot 2021-05-19 at 18.18.15のコピー2

オリジナルカメラファイルと、Frame.ioプロキシをサイドバイサイドで比較

カメラHSプレイバックをマニュアルRecしたクリップ(A010C018)は、
プレイバックした時点でのスタンバイのクリップネームを取得しました。


【タイムコードのずれ】
Recモードなどを切り替えると、最大10フレずれます。
HSマニュアルRec後は、完全に明後日のTCにずれます。
ただし、Cube655のケーブルを抜き差しすることで再同期します。

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V2:Frame.ioプロキシ
V1:ARRIRAW

ブルー:TC一致しているクリップ
ピンク:TC 10フレずれたクリップ
オレンジ:TC 1フレずれたクリップ
グリーン:完全に明後日のTCになってずれたクリップ


【プロキシはクリップ頭が削れる】
カメラよりも平均15フレ〜1秒遅れてプロキシ収録されており、頭が撮れてません。
※ Cube655の、Encording/Key Frame Intervalをマックス0.5まで下げることで軽減。

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V2:Frame.ioプロキシ
V1:ARRIRAW


最大の弱点は
HSがHSではない】

Cube655のSDI-INでリアルタイムプロキシ収録している以上、ノーマルコマです。プロキシはHSにはなりません。
※メーカーFAQでは、今後の機能拡張で対応していくとのこと。


【総評】
ノーマルコマだけなら、ギリギリ使える。

といったところです。

ただ、あのLightIronとタッグを組んで大変な開発意欲を見せており、4月の正式リリースから1ヶ月で新バージョンを出すなど開発スピードは期待出来そうです。


【ポスプロへの展開】
Frame.ioにアップロードされたプロキシは、既に、Adobe Premiere / DaVinci Resolve等のブラウザから直接覗いて見ることが可能です。
あたかもローカルかのようにそのままインポートし、オフラインできます。

Frame.ioはあらゆるポスプロソフトウェアへの組み込みが進んできているので、クラウドベースで相互に橋渡しが可能です。

つまり、ローカルHDDで作業して、持ち運ぶ必要がなくなります。


【今後のロードマップ】
こちらのCamera to Cloudワークフローのトレーニングビデオで、P1〜13まで詳細に解説されています。
このP1に今後のロードマップが解説されていますが、なかなか刺激的です。

10年後の2031年には、もはやカメラ収録用メディアは不要になり、
カメラ→直接クラウドに収録されるようになる。

スクリーンショット 2021-05-26 1.11.19

5G→6G時代が到来する頃には、不可能ではないと思いました。

By KOGAMI



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