見出し画像

3D LUTより便利!?「BLG」って何?

弊社で利用中のカラーグレーディングシステムBaselight
【作業データそのもの】を別のアプリに適用させるプラグイン/ファイル形式がBLGです。3D-LUTでは渡せない細かな情報をBLGなら全て扱うことが出来ます。

BLGを利用すると以下のアプリにBaselightの作業データをほぼまるごと送ることができます。

BLG for Flame (有償ライセンスのみ)
Baselight for NUKE(無償版あり)
Baselight for Avid(無償版あり)

※BLGプラグインはなんと読み込むだけなら【無償】でBaselightの作業データを読み込むことが可能です!(NUKE/AVID版のみ)

BLGファイル:Baselight Linked Grade
Baselightのグレーディングデータ&作業データの全てを他の連携機器に伝えることのできるファイルフォーマットです。Baselightから書き出すことが出来ます。


■ BLGで何が出来る?

Baselightのカラーグレーディングの編集データ以外にもほぼすべての処理をBLGプラグイン経由で再現することができます。

・カラーグレーディングデータ(セカンダリーを含む)
・カラコレに使用したWipe
・マスク情報
・トラッキング情報
・画の揺れを止めた場合のスタビライズ情報
・Baselightのエフェクト類

などカラーグレーディング作業で使用した殆どの作業データをFlame/NUKE/AVIDで再現が可能です。

NUKE/AVID版の有料版ではBaselightの編集データをさらに「編集」できてしまいます。


■ BLGを使うメリットは?

1. LUTよりも複雑な編集データの伝送ができます
Baselightプロジェクトそのものを別環境で再現できるのがBLGです。
LUTでは再現できない「ワイプ」を多用したセカンダリーカラーコレクションが使え、オンライン作業へ受け渡すことができます。

カラーグレーディング作業では、人物の顔色や明るさをかえたり、グラデーションワイプをかけたり、植物の緑色を調整したり、商品パッケージの色調整をしたりなど、セカンダリーと言われる細かい色調作業が多く行われます。
特に部分的な色調整を行う「トラッキング情報」「ワイプ情報」は3D LUTでは扱えません。

CMではこのような細かな部分調整の作業が多く、3D LUTではこの結果を別のアプリに転送することが出来ません。

[FilmLight Youtubeチャンネルより]
https://www.youtube.com/watch?v=wGvW5qLAnwM

CM作業ではこれらのセカンダリーデータを含めた完全なBaselight編集データをオンライン編集で使われるFlameに【BLG形式】で送ることができます。

※BLGはBaselight内部と全く同じ16bit 浮動小数点処理のため、階調の破綻などの画質劣化はほぼ起こりません。

※LUTは補完が必要な処理のため、LUTの格子点、アプリ側の環境によっては階調破綻(マッハバンド)などが生じます


2. 撮影後、仕上げまでに時間が取れない時に有効
グレーディング作業前からでも収録元素材(RAW・Logファイル)を元に編集の仕込み作業(合成、バレ消し、肌修正など)を先行・並行作業して進めることが可能なります。
BLGを活用すればオンライン作業担当の方がカラーグレーディング後の素材(DPX/Prores)をギリギリまで待つ必要がありません。
また「大量のカラコレ済み素材」の書き出し・納品作業が場合によっては不要になります。

オンライン作業が進んだ後にカラーグレーディングが変更になった場合【BLGデータのみ】をやり取りすればよいのでインターネット経由で簡単にカラーグレーディングの情報をやり取りすることができます。

flame上でカラーグレーディングを手軽に差し替え可能になり、これまでに比べ効率の良いフローを組むことができます。


3. 本編集の仕込み作業が速くなります
レスパスビジョンでは、Baselightカラーグレーディング作業前にflameでのオンライン作業と同様にオフライン編集データを忠実に再現(コンフォーム)します。

オンライン作業で行っていた以下の作業をBaselightカラーグレーディング作業時に行い、BLGに編集データとして含めflameに送ることが可能になります。

・素材のトリミング(サイズ調整、位置調整)
・揺れのスタビライズ処理
・グレイン(粒子)の足し引き調整とトーンの決定

上記の作業がBaselightの作業時に終わっていますのでflameでのオンライン作業の仕込みが効率化します。

■ BLGの注意点

BLGは3DLUTではなくBaselightのプロジェクトデータそのものに近いです。そのため事前にカラリストとflameオンラインエディター間でファイル解像度やカラースペースについてや、Baselight側からどの様なデータの出し方をするかなどファイルの受け渡しについての打ち合わせが必要です。

BLGのNUKE版AVID版の場合は無償版でもBLGでルックを適用することが可能ですので事前検証が気軽に行えます。

Baselight Editions Downloads
https://www.filmlight.ltd.uk/store/downloads/

しっかりとした準備と打ち合わせが必要ですがCGが絡む複雑な案件ほどBLGワークフローは劇的に工程をシンプルにすることができます。

以下はBLGに関するプレスリリースやBLGプラグインのカタログになります!

FilmLight、NAB2018でBLG for Flameを発表https://www.filmlight.ltd.uk/store/newsjp/events/blg-for-flame_at_nab2018/

Baselight for Avid
https://www.filmlight.ltd.uk/pdf/datasheets/jp/FL-BL-DS-0860-BaselightAvid_JP.pdf

Baselight for NUKE
https://www.filmlight.ltd.uk/pdf/datasheets/jp/FL-BL-DS-0748-BaselightNUKE_JP.pdf


BLGワークフローについてはお気軽に担当営業にお問い合わせください!

written by nagashima / kuboe


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!